ミヒャエル・エンデの「モモ」のお話。幸福な時間とは?現代人が忘れがちなことをモモが教えてくれる。
なんでわざわざ児童文学を? というのも、知り合いにアスペルガーのおじさんがいました。よく怒鳴っていて本当に悪気がなくいろんなことを言ってしまいます。会話の中で脈絡なく、哲学的な話もするので片耳だけ聞き耳立ててました。
「モモっていう物語があってね、時間が盗まれるんよ。世界の時間を管理するところでは大きな時計があって、1時間ごとに花が咲いては枯れていくんよ。」
なんだか面白そう。成長から老いるまで、子どもから大人を経て、お年寄りになって…このサイクルを花に表している。そして人の一生を花に投影して1時間に凝縮している。
なんか、儚さを児童文学でこう演出できるのはすてきな。
「時間の使い方が大事。」
言いたいことだけ言うと去っていく人。
時間泥棒は見た目は肌も灰色で全身薄暗い奇妙ななりをしています。そしていつも葉巻を吸っている。
この葉巻は、実は人間から得た時間。言葉巧みにまちの人に、
「無駄な時間を過ごさずに、時間を節約しなさいよ。貯めた時間は時間銀行で預かります。余裕のある幸せな時間を得るために今頑張ればいいんですよ。」
みんなの幸福な時間を奪います。
作中では灰色の怪しい奴らでした。
けれども、実生活はもっと身近に、見えないところに 自分の内側に潜んでします。
最近よく言われる自己肯定感・承認欲求・劣等感 などは時間泥棒と非常に密接に関係しているように思います。
例えば、ある人から
「お前は○○ができない・お前は○○だ・おまえなんかは…」
と直接言われて嫌な気分になったとします。なりますよね。
でね、すぐ忘れられる人・気にしない人は時間泥棒に時間を奪われてないんです。
この言われたという経験を得たのは 10分程度だとしましょう。
引きずってしまう人は自分の中でこの言葉や 記憶を自分の中で反芻してしまうんです。
家に帰って布団中で「あーあ、こんなこと言われた。最悪…」 モヤモヤする時間が30分だとします。
毎日、1年習慣化されてしまうと、0.5時間×365=182.5時間 無駄にその人に自分の時間をあげたことになるんです。 自分のためにならない時間を。
時間泥棒は心の暗い部分に棲みつきます。 そしてあなたの心をむしばみます。
劣等感にかられ、何が自分にとって幸福かわからなくなる。
次第にイライラして周りに被害を及ぼす。
精神的に安定している人は犯罪を犯すことはまずありません。 余程の激しいショックに襲われたときはその人の精神力にかけるしかありませんが。
モモのところに行くと、人は気持ちが穏やかになり、幸せな気持ちになります。
モモのつくる雰囲気が人をそうさせる。人が自身と他人としっかり向き合う時間を,空間をモモが無意識に作り出しています。
色々なことをないがしろにし、忙しさに囚われてしまい、幸福な時間を 忘れてしまうと時間泥棒は時間という甘い蜜を吸いにやってきます。
幸福な時間が少ないと心が、しまいには体がむしばまれてしまいます。
だから、自分にとっての幸福な時間とは何か。 どうすれば、それを実現させられるか。これを深く深くディープラーニング して下さい。
外にはないです。自分の中にしかないんです。
よく将来の夢は?と子供に聞くことがありますが 「お医者さん!」「サッカー選手!」「youtuber!」 と即答する子もいれば悩んで黙り込む子もいます。
夢=職業ではないです。
夢=自分の幸福な時間の使い方 でもいいんです。
よく夢=職業と勘違いする人多いですし、 その常識を子供に押し付ける大人も非常に多いです。
「やりたいことが何もないのか!」と怒鳴る割に。いざ見つけて 伝えようとするもんなら「そんなものじゃこの先食っていけない!」 と門前払いしてしまうことが多いです。
本当に応援したいなら,
など一緒に考えて理解する活動が大切だと思います。
だから、夢って聞かれたらなんでもいいんです。
毎日どんなもの食べたいか、どのくらい寝たいか、 どんな人と連絡を取りたいか、帰ったらこうしたいああしたいとか。
毎日妄想ですよ。その妄想を現実にするためには時間やお金が 必要です。
じゃあどうやって稼ぐか? どんなことであれば自分はできそうか。
夢から職業を探してもいいんです。 「どうしても夢を実現するために、この収入以上の職がいいんだけど、 自分の学歴や経験・スキルだけじゃこの職にはなれないんだ~」
学び直せばいいんです。何歳からでも!
制限をかけない。 突拍子もない妄想を膨らましてください。
お金や時間の問題は妄想した後に優先順位をつけて考えればいいんです。
どーせ無理とか。病んで、心が暗くなると時間泥棒に時間を持っていかれて しまいますよ。
一番いけないのは自分が幸せにならない時間の使い方をしていること。 また、それが当たり前だ、常識だと思って相手にその考え・価値観を強要してしまうこと。 強要≠共有です。 なんか宗教っぽいですが今回はここまで。